月に降る雨




目が覚めると、白い天井が見えた。


一目で病院だと、分かった。






「リアちゃん…!?」




あたしが目を覚ました事に いち早く気付いた みちるくんが、あたしの名前を呼んだ。






「みちるくん……?」






―……貴、は…?―




みちるくん には かなり失礼だけれど…

…まず、そう思った。


でも次の瞬間に、思い出した。






―そうだ…、

あたしを助けてくれたのは、みちるくん だったんだ……―






「みちるくんが…、″ここ″に…?」




まだ焼け付くように痛い喉から、声を絞り出すように すると、

みちるくんは静かに頷いて、言った。






「…そう。


俺が救急車、呼んだんだ。




…責めて いいし、恨んで いいよ」




「………」




みちるくんの その言葉を聞いて、あたしは はっと、した。


もしかして…、

…どこかで、みちるくんの事を″貴″って呼んでしまったのだろうか…?





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