月に降る雨




「…リア、ちゃん?」




「…あ…」




気付いたら、あたしを覗き込む みちるくんの目と、目が合った。


みちるくんは…

相変わらず穏やかに笑いながら、続ける。






「リアちゃん…、

今だけじゃなくて、″あの時″も ずっと謝ってたね」




「……」






「何に対して罪悪感を感じてるの?」




「それは…」






「あ、言いたくなかったら言わなくて いいんだ。


ただ…

こんな風に、俺は何に対して罪悪感を感じてるか分かってないんだから(笑)、

リアちゃんが思ってる程 俺は傷付いてないんだよ。


…″だから気にしないで″って、言いたくて」




「……」




本当は みちるくん…、

傷付いているのかも、しれない。


でも″傷付いてないから大丈夫だよ″って、

一生懸命 言ってくれてる みちるくんを見て、






―…どうして、みちるくんじゃ なかったんだろう…―




あたしは また さっきと同じ事を考えてしまって…

慌てて思考を振り払うように、頭を振った。





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