月に降る雨




「そうだ あたしが……」




「…え?」






「あの時…、

病室を抜け出したから………」




「……!」




暫くして やっと絞り出した声も、体と同じように震えていて…

まるで自分の声じゃない みたいに、聴こえる。






「リアちゃん……」




「…もし、あのまま あたしが かず兄の近くに居たら…、


かず兄を…

止められたかも、しれない……っ」






酷い後悔と…

喪失感に、目眩がした。





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