月に降る雨
「みちるくん…、あたしを………、
貴の所へ、行かせてくれませんか?」
暫くして、真剣な目で そう言った あたしに、
みちるくんは例の大きな目を、更に見開いた。
「え…?
リアちゃん、″貴″って…?
…″かず兄″は…?」
みちるくんの疑問は、当然だ。
でも…
あたしの気持ちは、……固まっていた。
…かず兄は、生きてる。
あたしも…死なない。
じゃあ、貴は…?
あんな別れ方で本当に よかったの…?
あたし…今どんなに無理をしても貴に会わなかったら、
絶対に、後悔する。
…かず兄は知ってたんだよ…。
自分が自殺を図っても、助かる可能性は高いって あの時 言ってたけれど…
知ってたんだ、きっと。
こうなる事を、…最初から。