月に降る雨
『 』
……その時。
突然 貴の声が…聴こえた気が、した。
「……貴…?」
恐る恐る、あたしも声を出してみる。
すると それに答えるように、また声がした。
『……リア』
「うそ、貴…!?」
―夢なの……?―
でも確かに貴の声が…
あたしの名前を呼ぶ貴の声が、する。
「貴…
本当に貴、なの?
貴 今 何処に居るの?
無事なの?」
『……ごめん』
あたしの質問に、ただ静かに謝る貴。
―まさか、もう……?―
「待って、貴!
お願い…あたしも今すぐ行くから……っ」
お願い、そこに居て。
まだ行かないで。
お願いだから……
『…リア。
俺ずっと……
リアの事が、好きだった』
「…!?」
『………永遠に、愛してる。
生まれ変わっても…』
″生まれ変わっても″。
…その言葉で……
全てを、悟った。
「何で今……。
最後の最後で、
何で そんな事 言うの!?」
あたしの返事も聞かずに…
″言い逃げ″なんて……貴は。