月に降る雨
″好き″だったんだよ、あたし。
今更かもしれない…
それは申し訳ないって思う、けれど。
でも…、
多分 初めて会った時から あたしは……。
「……あたし……、
ホントに馬鹿だった。
…貴の言う通り 笑」
『……』
「いつの間にか、
″近くに居るのが当たり前の人″に なってて…
今頃 気付くなんて、
…ホント馬鹿…っ…」
『……』
「ごめんね…
本当に、ごめんなさい……っ…」
涙が ぼろぼろ流れて来て、
謝るのが精一杯だった。
―でも、言わなくちゃ……―
伝わるか、分からない。
そもそも これは夢なのかも分からないんだから。
…でも、言わなくちゃ。
そう思って、何とか言葉を絞り出す。
「……ぅっ…
あたしが…本当に″好き″だった、のは…っ……
……貴、だった」
『…!』
「かず兄じゃ、……なかった。
あたし…
貴を」
涙が、止まらない。
今更こんな事を言い出す あたしは、本当に大馬鹿者で。
でも、あたしも きっと。
「…愛してる。
生まれ変わっても、永遠に」