月に降る雨




『リア…』




「だから あたしより先に生まれ変わらないで…、


先に行くなんて、許さない…っ…」






『…』




伝わるか、分からない。


それに、今まで この気持ちに気付かなかったのに…

今更ゲンキンだって思われても、仕方ない。




…でも。




″好き″って気付く前から、

離れる事は有り得ない人だって、…思ってた。


ずっと ずっと…

一番 身近で大切な人、だった。




……あたしには……、

貴 以外、有り得ない………。






『…』




貴は ずっと黙って あたしの嗚咽を聴いていて…、

ようやく、一言 呟いた。






『…ごめん』




「…!」






『生まれ変わったら…

今度は こんな″運命″とか関係なく、

普通に、リアと出逢いたい』




「貴…?」






『…いや、何でも無い 笑




それよりも…

生まれ変わったら

どんな状態でも、必ずリアに逢いに、行く。


だから、それまでリアは待ってて』




「………」






『…約束する。


だから…、リアも約束して?』




「約、束……?」






『………俺の事、忘れないで』





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