月に降る雨




女の子らしき人が1人、

遠く離れた場所を横切って行くのが、見えた。






「…!?」




吃驚して、思わず立ち止まる。


でも女の子らしき人の方は あたしには全然 気付かなかったみたいで、

あたしが知り合いか どうかを判別する間も なく、

走り去ってしまっていた。




シルエットがスカートだし、体格も小柄な感じだから、

女の子″らしき″って言うか、女の子なんだろう けれど…。


女の子が1人、こんな時間に学校から、脇目も振らずに走って出て来るなんて…、

何か、事件??




妄想力の豊かな あたしは、そんな事を考えながら、

走り去って行く その後ろ姿を、しばらく眺めていた。





< 19 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop