月に降る雨
女の子らしき人が1人、
遠く離れた場所を横切って行くのが、見えた。
「…!?」
吃驚して、思わず立ち止まる。
でも女の子らしき人の方は あたしには全然 気付かなかったみたいで、
あたしが知り合いか どうかを判別する間も なく、
走り去ってしまっていた。
シルエットがスカートだし、体格も小柄な感じだから、
女の子″らしき″って言うか、女の子なんだろう けれど…。
女の子が1人、こんな時間に学校から、脇目も振らずに走って出て来るなんて…、
何か、事件??
妄想力の豊かな あたしは、そんな事を考えながら、
走り去って行く その後ろ姿を、しばらく眺めていた。