月に降る雨
どの位そうして いたのか分からなかった けれど、
暫くしてから、あたしの後ろで、
もう1人、人の気配が、した。
さっきの子は走って行ったけれど、
今度は ゆっくり と 近付いて来るような、気配だった。
″夜の学校″というシチュエーションと、
自分の″何か事件かも″という妄想の所為で、
あたしは振り向くのが怖くなった。
でも不思議なもので、怖がりの くせに″怖いもの見たさ″も あって、
″嫌だ″と思いながらも、恐る恐る振り返ってしまった。