月に降る雨
「…リア。
俺に もう、関わんないで。
…お前、ウザいから。
もし また学校で見掛ける事が あってもさぁ、
馴れ馴れしく話し掛けないでくれる?
……じゃ」
あたしの返事を聴く事もなく、貴は去って行った。
今までの貴なら、有り得ない。
貴が あたしの話を最後まで聴かなかった事なんて、
1度も なかったから。
…これは、本当に貴…?
そう思ったけれど、″違う人″だなんて、
それこそ有り得ないよね…。
…でも思わず そう思ってしまう位、
明るくて楽しくて優しくて、ちょっと抜けている所も愛嬌な、
あたしの知ってる貴じゃ、なかった。