月に降る雨




「……リア、おいで」




かず兄が、ベッドで手招きしてる。


いつも みたいに駆け寄るんじゃなくて、

とぼとぼ と 歩いて近付いて行ったら、かず兄は苦笑してた。




かず兄にも好不調の波がある みたいで、

最近は また薬の所為なのか、1日中、ベッドの上に居る。


そのベッドの脇の椅子に腰掛けると、かず兄が言った。






「リア。


…生きなきゃ、駄目だよ」




「……」





< 26 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop