月に降る雨




「…リアちゃん!」




「おぅわ!?


…吃驚したぁ!!」




ドキドキしている胸を落ち着かせよう と、とんとん と 叩く。






「…驚かさせちゃって、ごめんね」




「いえ、いえ!


…って言うか、

いつから そこに…?」




何となく、偶然 見掛けたから…ではなく、

待ってくれていたように感じたから、

あたしはカフェオレさんに訊いてみた。






「…あ、えっと……ちょっと、前」




カフェオレさんは、少し考えるように そう答えた。




……嘘が下手。笑


でも何だか それが可愛らしく感じて、微笑ましかった。






「……とりあえず何処か…あったかい とこ、行きましょうか 笑」




何処に行こう とは決めてなかった けれど…、


これ以上 寒い場所に居させるのが申し訳なくて、

そう言うと あたしはカフェオレさんを、見上げた。






「とりあえず、この近くに お店が あるから…

そこで良いですかね?


カフェオレさん」




出来るだけ警戒されないように笑顔で言ったつもりだった けれど、

カフェオレさんは一瞬、不思議そうな顔を した。


そして…

暫くしてから、笑い出した。





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