月に降る雨
「今度こそ、帰らなきゃ…」
わざと何気ない調子で、呟いた。
…口の中は、血の味が する。
「よいしょ」
ゆっくり、時間を掛けて、立ち上がった。
そのまま、ふらふら する頭で何とか帰ろうと歩き出した時、
あたしの目の前は突然、真っ暗に なった。
「!?」
…あれ?
何か体が……。
目を ぱちくり してみた けれど、視界は依然として真っ黒のままで…、
あたしは何が起きたのか、全然 分からなかった。