月に降る雨
「みちるくん…、
学校でもモテるでしょ~」
深い意味じゃなく、何気なく そう言ったら、
みちるくんは そのまま少し、目を泳がせた。
「う、うん…。
…いや!
そんな事ないよ!」
「何?
急に どうした!?笑
…あ、あたしが言ってるのは悪い意味じゃないんで、
気に しないでくださいね?」
「ううん!
リアちゃんが悪いんじゃなくて……。
…今 俺…、学校 行ってなかったから…」
「あれ、そうだったんですか!?」
…そう言えば みちるくん って、
確かに会う度に″学校 行ってる″って感じは してなかった けれど…。
「あのー、失礼ですけど
今 幾つ…なんですか??」
「……高2」
「…って事は あたしの1コ上…、
…先輩ですね!」
「そうなの?」
「一応 敬語 遣ってて、よかったです♪」
「一応って…笑」
「うん、でも先輩!
学校なんて行ってなくても大丈夫ですよ♪」
「え…?」
「あたしは よく苛められる度に、
″学校なんて無理して行かなくて良い″って、親に言われてました!
でも そう言われると逆に、頑張って行っちゃうんですけどね 笑」
「……」
「実はー、今でも時々 苛められるんで、
学校 行きたい とか、楽しみ!とかって思った事なくて…、
むしろ″出来れば行きたくない場所″なんで、
毎日 卒業した後の事ばっか妄想してます 笑
だから…みちるくんの事、ちょっと羨ましいです」
「…リアちゃん……」