月に降る雨
「……あ、俺が学校に行かないのは、
″病気″の所為なんだ」
今度は あたしの どんより した空気が伝わったのか、
みちるくんが慌てて、思い出したように話し出した。
「病気…」
「″鬱病″、なんだ。
…正確に言うと、″躁鬱病″」
「…あー…」
ここは驚くべき なのかも しれない けれど、
あたしは何故か、妙に納得してしまった。
2回目に みちるくんに会った時に感じた、″違和感″のような物の正体が、
分かった気が…したから。
あたしの反応が予想外だったらしく、
みちるくんは少し吃驚したみたい だったけれど、
あたしが そのまま黙っていると、ぽつり ぽつり と、話し始めた。