月に降る雨




「リアちゃんは、相手の事を受け入れた上で、考えてくれてるんだよね。


俺…鬱病だって 言ったら、正直、引かれると思ったんだけど…、

リアちゃんは引くどころか、普通に受け入れてくれて…


…すごく、嬉しかったよ」




「……」






「…それで、受け入れた上で、心配してくれてるんでしょ?


さっきリアちゃんは、″余計な事 訊いた″って、気に してたけど…

それも全然 気にする事、ないからね」




「……」






みちるくんの言葉は いつも、

あたしが″すごく良い人″みたいな、言い方に聴こえる。




…でも、あたしは全然、そんなんじゃ ないよ。


さっきの″好きな人″の話だって、

結果みちるくんに、嫌な話 思い出させちゃってるんだから…、

嫌な奴だって、思われて当然の筈なのに、


みちるくん…

どこか感覚が麻痺しちゃってるんだろうか…?




…あたしが そんな失礼な事を思っていると、

みちるくんは苦笑 混じりに、付け加えた。






「…リアちゃんは自分で自分の良いとこに、

全然 気付いてない みたいだけど、ね 笑」




「…みちるくん…」




……あたしの良いとこ……??




あたしが首を傾げていると、みちるくんが慌てたように、言った。






「…とにかく、

リアちゃんは、俺の事、何とか しよう って

心配して くれてるんだよね?


…ありがとう」






…みちるくん、

こんなに あたしの考えてる事が、言わなくても全部 分かってるみたい なのに、

それでも あたしの事が良い人に見えてる みたいで…、何だか不思議。


やっぱり その部分だけ、ネジが おかしくなってるのでは……?





< 77 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop