月に降る雨
「ねぇ、リア」
「…ん?」
「今、何 考えてんの?」
「何って…」
気付いたら、
貴は真剣な目で、あたしの顔を覗き込んでた。
自分自身でも よく分かっていないのに、
ちゃんと答えられる訳がない。
あたしは誤魔化したくて、
とりあえず口を開いた。
「…そういう貴は?
何 考えてんの??」
「…は?」
「そんな真剣な顔しちゃってさ 笑」
貴は、苦笑いを浮かべて、言った。
「俺は…、りぃの事 考えてたよ 笑」
「え…?」
「だって普通、目の前に居る人の事 考えんじゃん?」
「…あ、そういう事!?笑
だったら あたしも今 貴の事 考えてたし!」
「…りぃって、香澄 以外の人の事 考えるんだ?笑」
「な…!
当たり前でしょ!?」
「…あ、そっか。
そう言えば さっき″みちるくん″が どうとか言ってたもんね 笑
で みちるくんは…何?
友達なんだっけ?笑」
「そうそう友達!!
さっきまで疑問だったけど、
何か今 聞かれたら やっぱ友達だった!笑
…って これ、何の話だっけ!?笑」
「…さぁ?笑
でも お互い、相手の事を考えてた って事は分かったわ。
あと、″みちるくんは友達″…と 笑」
……何か、話を すり替えられた と 言うか…
貴の方に、上手く誤魔化された気がする。
それに″助かった″って、
ほっと息を吐いた。