4月1日の偶然少年A。
驚いている看護婦とまわりの病室の患者を無視して、
空はベッドから飛びおりて走り出した。
後ろで看護婦の止める声、すれ違う度に聞こえる医者の声、驚く人々を無視して走る。
右足にケガはなくて、体もいつもとなんら代わりなく動く。
一目散に病院の出口に向かって走り、病院の外に出ると、外の交差点へと走った。
そして交差点に出ると激しく行き交う車の群れに飛び込んだ。
クラクションの音とブレーキ音が辺りに鳴り響き
俺を避けようとする車たちがあちこちに溢れる。
空は交差点をつっきり、道路の角を曲がった。
その瞬間、運悪くつっこんできたバスが思い切り俺を撥ねた。
空の体は宙に舞い、地面に叩きつけられる。
「うぐっ…!」
あちこちの骨が折れて、口から血が溢れだす。
生温かい血が口の中に広がり、俺はそれを吐き出して横たわった。
ああ…死んだな…