4月1日の偶然少年A。

琴葉が13歳の春。
ニュースで流れ出した電車事故の報道。


その中でたった一人の無傷で助かった少年がいるというものを見た。
そのとき、琴葉の心がどきりとした。

そんなの、ありえない。

流れ出したニュースを食い入るように見つめていると
名前と顔が映し出された。


瀬川空17歳。
自分より年上で、けれどどこか活力のないひと。


目の下にはくまができ、茶色っぽい髪はボサボサだ。


私は気がつくと立ち上がっていた。


何を感じたのかはわからないけど、呪いと関係がある気がして
宝物の本の入ったかばんを肩からななめにかけると
一目散にニュースで流れ出した事故の住所にむかった。


ー近くだ!!



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