4月1日の偶然少年A。
あるマンションのそば。
マンションの住民がひそひそ話しているのを聞いた。
「あの少年、不気味よねぇ...」
「この前なんてそこから飛び降りたのよ!
それなのに無傷で立ち上がったんですって」
「まぁ怖い...化け物のようね」
「それに突然奇声をあげたりするらしいわ。
部屋の前がこの前血だらけだったんですって。」
私は確証を得た。絶対あのひとだ...!
琴葉はそのマンションの住民に話しかけた。
「あのう、すいません。その男の子ってどの部屋ですか?」
そういうとその人たちは部屋の番号を教えてくれた。
そしてそのあと、心配そうにひそひそと言う。
「お嬢さん、あのこのところへは行かないほうがいいわよ?
殺されてしまうかもしれないわ...」
私はごくりとつばをのんだ。すこしの恐怖を感じた。
けれどぎゅっとこぶしをにぎりしめる。
「はい、気をつけます。」
私は決心してエレベーターに乗り、あのひとの部屋へ向かった。