4月1日の偶然少年A。
「…私の持ってる本の伝説では、4人すべてが揃うべきだと、そう書いてありました」
琴葉は暗い表情のままそう言う。
俺はため息をついて答えた。
「お前、その4人を調べてないか?俺だけ?」
琴葉は少し考えたのち、ううんと唸った。
「いえ…実は目をつけている子がもう一人います。
でもどこに住んでるのかわからなくて…」
琴葉は少し暗い顔をするのをやめて、黒い髪をなでながら言う。
その目には真剣ないろが浮かんでいた。
「あとの3人を捜しませんか?」
琴葉はそう言って、俺を見た。
俺はぐるぐるまわる考えを頭でまとめようとする。
日ごろ人と係わり合いのない俺がそんなことできるだろうか。
本当ならこんなことせずにまたいつもの毎日が始まるはずだった。
だが、死ぬこともできずずっとあの生活をするのかと思うと少し気が滅入る。
空は小さくうなずいた。
「ああ。いいよ。このまま生き続けるのも嫌だしな」
そう、了承した。
すべてはこの人生をおわらせるために。