俺と夏空とアイツ
そうだよ、俺達には次がある。
「泣いて、不っ細工な面見せる暇があったら。俺達のケツでも引っぱたいて『グラウンド50周!』とか言ってみろよ。」
「ぶさっ!?」
ベンチから立ち上がり、今まで首にかけていたタオルを美鈴の頭にかぶせた。
それを、ゆっくり頭から下ろしながら涙をふく。
「・・・汗くさっ・・・。」
「ハハッ。だろうな。俺の頑張りの成果だからな。」
「・・・プっ・・・そうだね。」
柔らかく、笑う美鈴。
俺が、もっと早くにお前に気持ちを伝えれてたら抱きしめて慰めてやれるんだけど。
生憎、まだそんな勇気はねぇし。