孤高の魚
……本当なら僕は。
今日は僕も休みなので、二人でのんびりと過ごしたいと考えていた。
僕には、彼女に聞いてみたい事もあった。
……と言うよりは、彼女が僕に何か言ってくれないだろうかと期待していた。
何でもいい。
今のこの僕の、情けない気持ちを打破してくれる言葉なら何でも。
僕には、今から大学へ行く気力など、当然ながらもうすでになかった。
………
「夕方6時に、迎えに来てくれるの、工藤さん。あ、アユニの携帯を鳴らすって言ってたわ。ごめんなさい、わたし、携帯持ってないから」
キッチンの時計を見ると、3時を回った所だった。
ゆっくり話す時間は、あまりなさそうだ。