孤高の魚
「……え?」
僕は最近めっきり寝起きが悪くなって、彼女の用意してくれる朝食に間に合わない。
冷えてしまったであろうハムエッグとサラダが、白い器に丁寧に盛られたままラップがかけてあった。
時計を見ると、もうすでに11時を回っている。
3限目の授業も、間に合いそうにない。
「……ううん。最近のアユニ……覇気がないから……」
「……ハキ……?」
「……うん。最近、元気がない様な気がする。
……わたしの思い過ごしかな」
そう呟く彼女の視線は、まだ真っ直ぐに僕へと向かっている。
………
『その原因のほとんどは、多分、君だよ』
その視線を受けながら、突然、彼女にそう強く言ってしまいたい衝動に駆られて、僕は慌ててそれを飲み込む。