孤高の魚



「何で歩太と別れたの? って訊いても、ナナミちゃんは答えなかった。
……ただ、罪を背負いきれなくなったって、そう言ってたの。
あたし達はそのせいで、引き離されてしまったんだって」


罪……?


………


『七海がいけない子だから……』

ついさっきまで、そう言って震えていた彼女の姿が思い浮かぶ。


「罪って、いったいなんの?」


僕が恐る恐る尚子にそう尋ねると、


「それは、あたしにもわかんないよ。それ以上の事は、話してくれなかったし」


と、尚子は苦笑した。


「だから、ナナミちゃんのそうゆうのをさ、一個一個ほぐしてあげんのが、歩夢の役目なんじゃないの?
二番目の歩太のさ」



< 248 / 498 >

この作品をシェア

pagetop