孤高の魚




目を細めてみる。
よく見るとそれは、ノートの切れ端だった。
セロハンテープや画鋲で、壁一面に張り付けられている。


………


……


カサカサ……カサ


僕の背後から流れて来る空気に反応して、それらは一斉に乾いた音を立てる。

何枚あるだろうか。
50枚……いや、100枚?
それ以上か?
スケッチブックから剥いだ様な、少し大きめな物もある。
レシートの裏の様な物も。


………


思わず僕は、部屋の中へ一歩踏み出してみる。
ツンとした、何とも言えない空気を感じるのは何故だろうか。


緊張感?
圧迫感?


……わからない。
わからないけれど、この部屋は異様だ。




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