孤高の魚



………



カサカサ
カサ……


微かな音を立てて、紙の壁が揺れる。


「わたし、飛んでもない勘違いをしていたのね……」


僕を置き去りにして、彼女の言葉が緩やかに溢れ出した。


「待っていてくれてると思っていたの。
それどころか、わたしがアユを救えるだなんて」


彼女は額に手を当てて、目眩を抑えているようだった。
体が小刻みに震え出しす。

それは、寒さのせいだろうか。



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