孤高の魚
………
「だから……わたし……」
その後の言葉を、彼女は口には出さずに飲み込んだ。
そんな些細な表情を、僕は見逃すまいとじっと構える。
……今度こそ。
今度こそ、彼女の言葉を最後まで受け止めようと僕は決めていた。
お酒の力も借りて、僕は今、多少リラックスだってしている。
深夜のこの時間帯は、不思議に人の気を大きくさせるものだ。
……彼女を知るためなら、どんな残酷なことだって聞き入れられる。
そんなことを考えていた。