孤高の魚







わたしは

しばらく一人で

海を見ていました


冬の海は暗くて


悲しくて

悲しくて


涙が溢れました






そうして堤防に座っていると

通りかかった年配の女性が

声を掛けてきたのです



その女性

横田さんの顔を見て

わたしは驚きました




死んだアユのお母さんに


あまりにも

よく似ていたからです








< 491 / 498 >

この作品をシェア

pagetop