孤高の魚





それから横田さんは

そうっとわたしの側に来て

言いました


「何があったのかは


わからないけれど

頑張って

生きるんだよ」と




見透かされたのだと思いました




横田さんは

アユのお母さんによく似た眼差しを持っていて


それがとっても

優しくて



わたしはその場で

声を上げて泣きました




横田さんは黙って


しばらく

わたしの肩を抱いていてくれたのです





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