シュガー&スパイス
「じゃあ、千秋の家に来てた女の子たちって、お店のお客さん?」
「女の子?」
肩越しに千秋を覗きこみながら言うと、視線だけ落とした千秋が首をかしげた。
わ、とぼけてる。
「うん、ほら……来てたじゃない。違う名前で呼ばれてたけど」
「……ああ! ま、ね。そんなとこ」
宙を仰いで、わざとらしくそう言った千秋になんだか腹が立った。
「……でも、最近は来ないよね。なんで?」
知ってるんだからね!
ホストじゃなくても、名前偽って女の子たぶらかしてたのー!
今度はあたしがわざとらしく言って目を細めた。
そんなあたしに気ついて、いきなり立ち止った千秋は、グッとその顔を寄せた。
……え。