シュガー&スパイス
意味がわからなくてただその顔を見上げていると、口元を手で覆った千秋が何やらつぶやいた。
「……ちっせぇ。 ヤベぇ、萌える……」
「………………」
ここ、こ、子供扱いして……!
ち、小さいって言ったよね?
あとの方は、モゴモゴしてて聞き取れなかったけど!
また、1℃。
頬が火照ってくのに気づいて、いまだに頭に乗っかるその手を振り払った。
「あ、……あのね! いくら世の中経験が物を言うにしても!
目上の人への敬いはあるべきだと思う!」
「ですね。ごもっとも」
「…………。 わかってんの?」
「もちろん。わかってる、わかってる」
「………………」
絶対わかってない。
あからさまにからかわれて、なんだかふに落ちない。
ここはひとつ、おねーさんっぽいことを!
意を決して千秋に歩み寄った。