シュガー&スパイス
「あとはあたしちゃんとする。千秋に迷惑かけないようにするから。……、でも、お父さんに付き合ってくれて嬉しかったよ」
「……はは。 うん、どーいたしまして」
一瞬キョトンとした千秋だけど、すぐにその表情を崩した。
「――……俺、菜帆んちすげぇ好き。
このまま、ここんちの子になろっかな」
「え?」
うちの子って……
「……千秋が、弟になるって事?」
そう言ったあたしを「え」と見つめ返す千秋。
それから少し考えて、なぜか不満そうに目を細めた。
「…………。それは無理」
「なんで? あたしがお姉ちゃんじゃ不満?」
ちょっとだけムキになってみる。
そりゃ、あたし年上っぽくないけど。
って、別にそこはどうでもいいでしょ。
あー、やっぱりちょっと頭冷やそう。
ふっと視線を落としたその時だった。
「……なんでって、わかんない?」
「え?」