シュガー&スパイス
「菜帆、挨拶の事、本当にごめんな?」
「え、あ……うん。 平気平気! 楽しみがまだ続くと思うと嬉しいもん」
って、あたし何考えてんだ!
英司の事、見つめながらぼんやりするなんて……。
眉を下げて、まるであたしの顔色を伺うような表情の英司。
あたしはあえて明るく笑うと、顔の前でヒラヒラと手を振って見せた。
「それなら安心した。 実は怒ってたらどうしようかと思ってた」
「あは。 それじゃ、昨日の英司の頭の中はあたし一色だったんだ?」
「……っは。 当たり前だろ。 昨日だけじゃなくて、俺の中は菜帆の事だけ」
そう言った英司は、小首を傾げて笑うと、すっと手を伸ばして、人差し指であたしの鎖骨あたりに触れた。
「……ッ」
ピクンと、反応するあたしの体。
徐々に頬もピンク色に染まる。
そんなあたしを見て、英司はクスッと笑うと身を屈めて顔を寄せた。
「その顔は反則だな。 ……今すぐ菜帆を抱きたくなる」
「え、ええッ?!」
ボンって感じで一気に頬が火照るのがわかった。
な、なな……。
「なに言って……」
ちょっぴりエッチなとこも……大好き……。