シュガー&スパイス
でも……
戸惑うあたしに千秋は「大丈夫だから」と頷いた。
大丈夫。……と、言われましても……。
恐る恐る言われるまま部屋に入ると、そこには2人の女の人があたしを待ち構えていた。
さっきのミツルさんと同じようににこーっと微笑んだ彼女たち。
こ、怖いんですけど!
「仲岡様、こちらへどうぞ?」
「えっ、はい……」
―――――――――・・・
――――・・・
……で?
なにこれっ なんでこんなんなってんの?
あたしっっ!
大きな鏡の前には、煌びやかに着飾った自分の姿。
まるでお姫様だよ……。
「お綺麗です」
そう言って、最後に唇にグロスをのせられた。
姿見の前で、マジマジと自分の姿を確認する。
大胆に胸元の大きくあいた、淡いエメラルドクリーンのホルターネックのマーメイドドレス。
背中も……やばいんですけど……。
こんなに肌露出したことないから、恥ずかしいっ
誰かあたしに、状況説明をお願いします!
そこへ、扉を開けて、千秋が顔を覗かせた。
「出来た?」
「あ、千秋っ」
どうしてこんなことになってるのか聞きたくて、千秋の元へ歩み寄った。