シュガー&スパイス
「恒例になってるのよ。社交ダンス。あたしは苦手だからパスだけど」
社交ダンス?
……無理です。
「そうなんですかぁ……。あ、千秋は踊るの?」
「ダンス? 俺もパス」
「嫌いだもんね」
うんざりしたようにそう言った千秋に対して、友里香さんはそう付け足した。
へえ。
嫌いなんだね。
「昔、よく誘ってたんだけどずっと断られてたもの」
ふうん。
そうなんですか。
仲がよろしい事で。
……ん?
…………って、あたし!
なにむかついちゃってんの?
別に千秋と友里香さんが、過去にどう関わってたかなんて
全然、ぜーんぜん関係ないじゃん!
ハッとしてフルフル首を振ると、不思議そうにあたしを見下ろす千秋と目が合って、さらにボッと顔が火照った。
あー、もうヤダヤダ!
なにしてんだろ……。