シュガー&スパイス
そんな倫子とあたしは、この会社に入社した頃から仲良くしてる。
外見が違うにも関わらずなぜか気が合うし。
よく休日なんかも一緒にカフェ行ったりショッピングしたりする仲なんだけど……。
倫子には、マニアックな趣味があったりして……。
「菜帆……信じてないみたいだけど。 マジであたるんだからね?」
そう言って、倫子はジトッと目を細めた。
その視線が怖いってば。
「……。 で、今日あたしはどうしたらいいの?」
そうなんだ。
それが、この星座占い。
生年月日で、その人の運勢を占える。
もちろん、一生も、1年も、今日だけの事も。
しっかりと倫子に向き合うと、あたしは彼女の答えを待った。
「些細な事ですれ違い。
菜帆の目の前には運命の別れ道。
歯車が回りだす。
でもこれ、……全部必然だよ?」
「……」
そう言って、倫子はあたしを見上げた。
キョトンとしてるあたしに、念を押すように顔を寄せると、
「どっちを選ぶのが菜帆にとっていいのかあたしにはわからないけど……。
これだけは言える。
でも今日は、大人しくしてるんだよ?
それで、早くお風呂に入って寝ること。その方がいい」
と言って、急須から湯のみ茶碗にお茶を注いだ。
それをぼんやりと眺めながら、眉間にシワを寄せた。