シュガー&スパイス


「どういうつもりで俺に接してんの?」


へ?

てゆかなんでそんな事聞くの?



「俺らの関係って、なんなんかな?」


なにって、なんだろう……。



「ただの隣人?」


え?


「ダチ?」


いや、それは……。
友達以下ってわけじゃないし……。



「え、ちょ、ちょっと待って……」



変!

千秋が変だよぉ!

だって、完璧目え、すわってますってば!


間髪いれぬ質問攻めに、心臓はドキドキで壊れちゃいそう。

艶めかしい瞳にジト―っと睨まれて、たじろいでしまう。


ジリジリとにじり寄る千秋は、あたしの頬に手を添えて、さらに距離を詰める。



ひえええ!
なんで病人に襲われそうになってんの、あたし!

油断して、千秋の部屋上がり込んでるけど、これって間違ってた?


今更、自分の置かれてる状況に気づかされた。


独りで寝るには大きなダブルのローベッド。
ソファと、テレビ、あとはアンティークの木製のテーブル。
ブラインドから、街灯の明かりが差し込んでる。

必要なもの以外なにもない、部屋。


これが、千秋の部屋。


< 195 / 354 >

この作品をシェア

pagetop