シュガー&スパイス
見ると……。
「…お、おはよぉ。……起きてたの?」
「…はよ。…寝てたよ」
寝起きの掠れた声で、そう言ってにゃははって笑う千秋。
それからイジワルに目を細めて、あたしの耳にチュッてキスをした。
「……嘘でしょ。絶対ウソ」
絶対起きてた。
そんでもって、あたしがひとり赤くなってるのも知ってるんでしょ!
顔に書いてある!
「ねえ、携帯鳴ってたよ?」
チェストの上に視線を送る。
いつの間にかバイブレーションは止まっている。
でもライトが点滅してるあたり、目覚ましじゃなかったのかもしれない。
そんなことを考えていると、あたしの肩を抱いていた千秋の手がいつの間にか胸のあたりに。
「あ……ちょ、ダメだよ。今日仕事でしょ?」
「まだいいよ。 それより……朝飯」
「?」
…………。
のそのそと覆いかぶさった千秋は、寝癖をつけたまま上目づかいでクイッと口角を持ち上げた。
「いっただきまーす」
「えっ」
あ、あたしーーーー!!?