シュガー&スパイス
「そうだ、2人とも」
はい?
「クリスマスの予定。なにか入ってる?」
「あたしは特に」
そう言ったのは倫子。
あっけらかんとデザートに取り掛かっている。
「菜帆は?あ、千秋と一緒か」
……あたしは。
あたしはどうなんだろう。
千秋はどうするつもりかな……。
そう言えば最近また忙しそうにしてるし。
「……」
てか、そもそもあたし達付き合ってんのかな。
あれから何度かセックスしたけど、付き合おう的なセリフは言われた事ないんだよね。
千秋は当たり前みたいな顔してあたしの手料理を催促するし……。
その後は、決まってベッドにイン。
あたし、千秋とお付き合いしてるの?
悶々と考えを巡らせていると、「もし」と友里香さんが口を開いた。
?
顔を上げると、少し遠慮がちにあたしと倫子を見比べて、それからフワリと笑った。
「もしよかったら、結婚式来てほしいなって」
え……?
友里香さんは、頬をピンク色に染めて、それでもあたしの事を気にしているようだった。
「いいんですか?」
あたしがそう言うと、友里香さんはコクリと力強くうなずいた。
「もちろん! 教会であげるから、そこは自由に参加出来るの。午前中よ?大丈夫?」
「わあ、楽しみっ。きっと友里香さんも佐伯さんも素敵でしょうね」
胸の前でパチンと手を合わせたあたしに、友里香さんはとても嬉しそうに笑った。