シュガー&スパイス
「じゃあね、コウくん。 また遊ぼうね」
うわ、すんごい猫撫で声。
出てきたのは、パンツ見えちゃいそうなミニスカートをはいた派手な女の子だ。
どう見ても、あたしより若い。
この子か……昨日、散々大声で……。
嫌でも思い出す“あの”声。
玄関の前で立ちすくんでいたあたしを、彼女が変な目でチラリと見た。
はっ!
思わず見入ってた……。
そこでようやく我に返ったあたしは、違和感を感じて首を傾げた。
あれ……今この子、コウくんって……。
じゃあ、この段ボールの主は。
ビリリ
彼女の揺れるお尻を眺めながら、そんな事を考えていると、何かをはがす音でビクリと震えてしまった。
息をひそめて振り返る。
千秋って女の子がまだいるのかな。
他の子と同棲してるなら、昨夜のは……浮気!!?
最低!
人間のクズ!
「……あれー、Tシャツどこだっけ」
「……」