シュガー&スパイス
ダイアモンドの朝
――ピピピピピ
「んー……」
耳をつんざくような目覚ましに、あたしは一気に現実の世界へ。
なかなか抜け出せない布団からなんとか腕を出し、鳴り続けている目覚ましを手探りで止めた。
もっと見てたかったなあ
最近よく見るんだよね、この夢。
子供のころの記憶なんだろーけど、すごく曖昧で
どうしてもあの続きが思い出せない。
お姫様がどうなったのか、続きを知りたいな……。
『きっとまた会えるから』
そう言って指切りをしてくれた。
本当に彼があたしの前に現れることはなかったけど……。
名前も知らないあの男の子は、今どこで何をしてるんだろう。
……―♪♪♪♪♪
「わッ!」
その瞬間、今度は枕元の携帯が鳴った。
こんな朝早くから誰?
さっきまで鳴っていた目覚ましに目をやると、すでに針は7時を回っていた。
え……うわ!
もうこんな時間ッ!
ガバッと布団を剥いで、携帯をつかんだ。