シュガー&スパイス


「何言ってんの、倫子の占いは当たるってことなんだから。 でも今度はあたしがお願いした時に占ってよ」


「……うん」


「ほら、コーヒー冷めちゃうよ」



あたしは倫子の華奢な肩をそっと押して、給湯室を後にした。


あー、なんか目眩……。
今、突然大きな声なんか出しちゃったから……。


感情に任せて声を出すなんて、あたしもまだまだ子供だなぁ。



「はあ……」

「あれ、菜帆?」



前を歩く倫子が視線をこちらに向けた。



「手がすごく熱いよ? 調子悪いの?」



そう言って、倫子がすかさず手を伸ばしてきた。
ヒンヤリとした感触が、おでこに触れる。

気持ちいい……。



「―――……やっぱり。 熱があるよ」



へ?

 
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