シュガー&スパイス




「先ほど、こちらにも連絡が入りまして……」

「そうか、それで先方はなんと?……ああ、仲岡、とりあえず君は今ある仕事をきっちりやりなさい」




課長は、あたしに仕事に戻るように言うと、英司と真剣な顔で話をし始めた。





「……はい。 あの、本当にすみませんでした」



あたしはそう言って、もう一度頭を下げて一歩足を引いた。



その時、一瞬英司があたしを見た、気がした。











「はあ……」


ようやく一息つけたあたしは給湯室で、今日何度目かの溜息をついた。


と、その時。
あたしひとりだった給湯室に、人の気配がして顔を上げた。





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