ブラックコーヒー



10時10分。

駅で待ってるけど、遅い。


「由奈っ!」


誠司がこっちに走って来る。


「遅い!
みんなも来ないし。」


「ああ…。
あいつ等寝坊したから夜に集まろって。
で、由奈に電話したんだけど、電源切れてるだろ?」


鞄から携帯を出してみると、電源切れてる。

昨日もしかしたら仁が着いたとか連絡くれるかなって思って、ずっと持ってたんだった。


「ごめんね?」


「いいって。
でも、どうする?」


そうだ。

どうしようか?


「由奈さえ良ければ、このまま遊びたいんだけど。」


「あ、何かおごる!
迷惑掛けたし。」


「そんな迷惑って。
俺は由奈といれるだけでいいから。
…て、別に深い意味とかないからな。」


「う、ん…。」


「あー、行こ。
早く。」


「うんっ。」


.
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