ブラックコーヒー



仁は私より2つ上。

高校の時に出会って以来、私の片思い。

仁が卒業した後もずっと好きで、こうやってよく仁の部屋に訪れてる。


「由奈?」


「え?何?」


「どうかしたんか?
車乗ってからずっと黙っとるやん。」


「あ…、ごめんね?
全然大丈夫!」


「そやったら、ええねんけど。」


大丈夫なんかじゃないよ。

いくら一緒にいても、仁にとって私はただの後輩。

分かってるから…。

分かってるからつらいんだよ。


「由奈にはいっつも世話なっとうから、今日はええとこ連れてったる。」


「本当?
私、回らないお寿司屋さんがいい♪」


「阿呆か。
もっとええ場所連れてったるゆーねん。」


「はーい。」


そんなこと言って、どうせいつもと同じとこ行くんでしょ?

分かってるんだから。


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