歩み
早くここから出せよ。
無駄に広い部屋にぽつんと存在する一人の少年。これが俺だ。
生きる希望さえ、ない。
生きているはずなのに、生きていない感じがするのだ。
俺はどうして生まれたのだろう?
いつも思っていた。
ふと、窓から外を見ると、真っ青な空が俺を寂しそうに眺めていた…。
なぜ空は青いのだろう?
誰が青いと決めつけたのだろう?
俺は生きていてもいいですか?
後ろを向くと現実が見えてくる。
冷めたご飯に、漆黒の闇のような学ラン。
そして、冷たい空気。
この冷たさは、暖房を入れても一向に暖かくはならないだろう。
視線を足元に落として、冷めたご飯に近づいていく。
テーブルに置かれた朝食。
今日はパンか。
取れたての野菜や、まだ少しだけ湯気の立っているブラックコーヒー。
俺はブラックコーヒーに手をかける。
この中に毒が入っていればいいのに。