歩み
自惚れているよ、悪い?
自惚れも恋愛には必要だよ。
俺も沙紀のあとを追っていく。
沙紀が見ているのは座席表だ。
流石に隣同士とはいかない。
沙紀は一番端の前から五列目。
そして俺は真ん中の列の前から三番目の席だ。
後ろの人の名前は《鈴木優》
自分の名前を再度確認をし、自分の席に向かう。
向かう途中、あることに気がついた。
近づく、王子様。
その度に何故か緊張していく俺。
前から三番目…。
その席は王子様の前の席だった。
王子様の前の席が俺。
こんな偶然ってあるのだろうか?
とりあえず席に座る俺。
背中が熱い。
王子様が俺の背中を見ているからだろうか?
そんなのは思い込みかもしれないけれど、熱いんだよ。
王子様の名前は、
《鈴木優》
ありきたりな名前かもしれないけど、俺にとってこの名前は、王子様にぴったりな名前だと思った。
そして芽生え出す感情。
友達になりたい。