歩み


王子様、いや、鈴木優と友達になりたいと次第に思うようになった。


彼の魅力をもっと引き出したいと思ったから。



優は思ってもいなかっただろ?
俺がこんなことを思っていたなんて。
それくらいお前は俺の心を奪ったんだよ。



…入学式中も鈴木優のことが気になって仕方がなかった。
なんて話しかけたらいいのかなってずっと考えていた。
もしかしたら無視されるかもしれないし。
やっぱりここは丁寧に『お友達になりませんか?』かな。
でもそれはお見合いみたいだし。
『友達にならねぇ?』って軽いノリでいくべき?


悩んでも意味ないか。
大丈夫、大丈夫だよな。

きっと返事を返してくれるさ。



この事をずっと考えていたらいつの間にか入学式は終わっていた。


再び教室に向かう俺たち。


席に座り、次に何が行われるか静かに待つ生徒たち。
俺もその一人だけど、頭の中では違うことを考えていた。


それは話しかけるタイミング。
今話しかけても相手が驚くだけだろう。


難しすぎて、頭が爆発しそうだ。



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