歩み
~7.王子様とお姫様~


昔々あるところに、ある国の王子様がいました。王子様は隣の国のお姫様と恋に落ちました。
二人の運命はどうなるのでしょう?



こんなおとぎ話は世界中に数知れず存在する。
そんな恋に俺たちは小さい頃から憧れていて、幸せになったのはどれくらいいるのだろう?


優と小林を見た時に、ふと昔聞かされたおとぎ話を思い出したんだ。


こう思ったのは俺だけかもしれないけど、そう思いたい。



「えっと…えっと…メアド教えて?」



優が赤面をして小林にアドレスを聞いたときは、すごく嬉しかった。
なんで嬉しいのか分からないけれど。


その時、勇気というモノを間近で見た気がした。
勇気を出して聞いた優はとても輝いて見えたのだ。
けれど、幸せはそう簡単には手に入らない。


優が小林のアドレスを聞いたその直後から、優は変だった。
理由を聞いても何も話さない優を、放っておけなかった。


あの優の表情が頭から消えなくて…。


次の日、聞いてみようと思ったけど、出来なかった。
理由は、ちょっとした事件が起こったから。



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